最近、マサチューセッツ工科大学(MIT)は、新しいパッシブソーラー発電による海水淡水化システムを開発し、従来の淡水化技術に新しい発想をもたらした。このシステムは主に、廃水を処理して飲料水を供給し、電気を使わずに医療機器を消毒するために使用されており、この技術は従来と比較にならないほど効率性に優れ、コスト管理もできることが研究で明らかにされている。
世界の水不足は依然として深刻であり、世界の人口の約3分の2は飲料水すら確保できていないという事実、さらに、多くの水不足地域での停電問題が、水不足の問題に影を落としている。従来の工業用淡水化プラントは改善どころか、機能すらしていない状態であることから、太陽光エネルギーのみを使用するシンプルで安価な淡水化システムの開発が着手されたのである。
マサチューセッツ工科大学は、中国の専門家とともに、最上層は太陽光を吸収する暗い素材、次に直径約2.5mmのミシン目が付いたポリウレタン層、そして最後に大規模な塩水貯留層という3つの層で構成される、多層海水淡水化システムを実証することに成功した。
このシステムは、水中で動作すると、液体の層が最上層に浮き、最上層の水が加熱され、最下層の水が冷たくなるという自然対流の循環原理を使用し、対流によって海水の淡水化を促進するものである。
密度の高い塩水が下に沈み、温水が穴を通して最上層に到達するが、これは、熱気が上に、冷気が下にという原理と似ていること、 そして、温度差を作ることにより、海水の塩分が下部タンクに吸い込まれ、上部液体は完全に脱塩されて蒸発し、凝縮した蒸気は飲料水としても使用できることが、研究により明らかにされている。
現在、この技術は実験によって立証されてはいるが、この技術を元に、約1平方メートルのシステムに対し、わずか4ドルのコストと少ない太陽光だけで、家庭の1日分の飲料水の提供が可能な、より大きなデバイスを作成するために研究は続けられている。
(記者 鈴木 卓哉 編集 尾崎 和明 校閲 石井 美香)



