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金曜日, 4月 17, 2026
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中国の太陽光架台製造企業 日本から世界へ (ENERGYBIZが惟譜・王満意社長に単独インタビュー)

 厦門惟譜(ウェイ・プー)新能源科技有限公司(以下「惟譜」という)は、2016年の設立以来、住宅・産業・公共事業向けのソーラー架台システムを中心に、その研究開発・製造・マーケティングを行ってきた。日本は惟譜の主要な海外市場であり、日本での売上高は全社売上高の約80%を占めている。

 

01 日本での事業展開

 

 惟譜の王満意社長は、大学時代に日本語学科に入学し、卒業後、対日貿易の道を歩み始めた。日本の架台市場に詳しい王氏は、2013年から日本に向けて太陽光架台の輸出ビジネスを開始し、太陽光発電の売電価格が高値から下がっていく過程を目の当たりにしたという。

 

 王氏によれば、初めて日本市場に参入した時、日本の太陽光発電は売電価格が高く、発電所建設コストによる投資への影響は比較的小さかった。しかし、今や日本の太陽光発電はNon-fit時代に突入し、補助金が減少した結果、太陽光発電コストが上昇傾向にあり、今後一時期、日本の太陽光発電の開発は停滞する恐れがあるとされている。

 

 王氏は早くから、このような日本の太陽光発電市場で起こりうる状況に備えつつ、事業展開を行ってきた。新型コロナ流行前に、王氏は日本で開催された数々の太陽光ビジネス関連の展示会に足を運び、日本市場の新たな突破口を探していた。

 

 例えば、惟譜はかつて、太陽光パネル掃除ロボットの日本市場参入を試みていた。しかし、日本は環境が良く、太陽光発電所の洗浄頻度は高くない。そのため、ロボットの掃除効果は高いものの、日本にはその需要はほとんどなかった。

 

 調査し続けた結果、日本では陸屋根太陽光発電の利用率が低いことに気がついた。これまで惟譜が手がけた案件のうち、韓国の場合、陸屋根太陽光発電はその95%以上を占めており、さらにオーストラリアの場合、陸屋根太陽光発電の案件はほぼ100%に達している。つまり、日本に比べて、その割合はいずれもはるかに高かった。FIT時代に、陸屋根太陽光発電は利益率が比較的に低かったため、日本での太陽光発電所への開発投資は野立産業用のものに集中していたからだ。

 

 しかし、ポストFIT時代の到来に伴い、野立発電所の利益率も次第に低くなっている。現状を突き付けられた日本の発電所投資家たちは、間違いなく投資の方向性を変えるだろう。そして、野立発電所の新規建設数が減少するにつれて、日本の陸屋根太陽光発電は徐々に発展していくと予想される。惟譜は、日本の陸屋根太陽光発電という大きなチャンスに期待を寄せている。

 

 王氏は、「日本の太陽光発電市場の変化に伴い、惟譜も、惟譜の取引先もモデルチェンジを迫られている。この転換の過程において、惟譜は陸屋根などの面でこれまでのお客様と引き続き協力できるところが多い。」と述べた。

 

02 日本以外の海外地域での事業展開

 

 惟譜は、日本だけでなくオーストラリアや東南アジアなどの地域でも事業を行っている。

 

 オーストラリアは、太陽光発電所の設置量と容量が大きく、さらに土地が広くて人口が少ないため、潜在力の大きい市場として期待されている。惟譜はオーストラリア市場に参入して2年足らずで、現地での貿易額が倍増した。現在、オーストラリアの取引先一社だけで、惟譜に1500万~1800万人民元の輸出額を生み出している。目下、オーストラリアでの売上高は惟譜の総売上高の12~15%を占めている。

 

 2022年、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)が発効した。ASEAN10カ国の提案によって誕生したこの自由貿易協定(FTA)は、EUを超えて現在世界最大のFTAとなっている。RCEPの発効は、東南アジア市場に大きなチャンスをたらした。

 

 王氏は、「RCEP発効後、取引先の年間減税総額が300万人民元以上に達し、惟譜の価格競争力は大幅に強化された」と述べた。今年1月から4月までの間、惟譜は84件のRCEP原産地証明書の発給申請を提出し、前年同期の4倍となった。

 

 東南アジア諸国の太陽光発電事情は、日本と異なりビジネス感が薄く、普及目的のため、農村部などでの建設が多い。現地の顧客は太陽光発電についてあまり詳しくないのだが、設置や投資のニーズは確かにある。

 

 このような顧客層に対応するため、惟譜は「リトルシステム」と名付けて、太陽光発電システム一式を顧客に提供するようなビジネスモデルを導入した。顧客から提供された屋根の面積、方角と寸法に基づいて、惟譜の電気工事士はシステムを設計して提供し、屋根に置けるモジュールの数、電気機器の配置、インバータの容量や配線などもその中に含まれる。

 

 「リトルシステム」をより普及させるために、惟譜はECプラットフォーム——made in China(中国製造サイト)にも出店している。多種多様な製品を掲載するこのサイトで、清掃ロボットと惟譜産の架台が販売されている。王氏は、「架台の利幅は非常に限られている。だから、惟譜は今後、『リトルシステム』の販売に力を入れ、太陽光発電設備製造企業として付加価値を追求し、売上高を増やしていくつもりである。東南アジア諸国で需要が見込まれているこのビジネスモデルを、今後日本でも展開していきたい」と話した。

 

おわりに

 

 今後の事業展開について、王氏は「これから惟譜は、ヨーロッパを中心に事業を展開していきたい」と紹介し、また「ここ数年間、モジュールの発電出力向上に伴い、太陽光発電はいま、政府からの補助金がなくても、グリッドパリティの実現が可能になった。しかし、太陽光発電所の建設コストは依然として高く、このような状况に鑑みて、政策が安定した経済先進地域を主な事業拠点とするというのが現在惟譜の経営方針となっている。しかし同時に、コロナ感染症とロシア・ウクライナ情勢の影響を受けて、惟譜はヨーロッパで一部の市場を調整する用意もある」と述べた。

 

 そして日本市場という惟譜最初の海外市場について、王氏は「私は日本市場に対して愛着を持っている。惟譜にとっての最初の舞台である日本市場をしっかりと守っていきたい」と述べた上、「日本は自然災害の多い国で、架台の強度がより求められている。そのため、利幅が限られていても、惟譜は架台の強度を下げたり、低価格で悪質な競争に走ったりするようなことはしない。惟譜は会社を存続させながら、最善を尽くし、確実に20年以上使えるような最高の架台を日本のお客様に届けていきたい」と話した。

 

(記者 山本 圭輔 編集 高橋 淳 校閲 石井 美香)

 

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