伸び続けている再生可能エネルギー需要に応えるために、アメリカのエネルギー貯蔵産業は急速に成長している。住宅市場でもグリッドエネルギー貯蔵市場でも、エネルギー貯蔵システムの導入量は、太陽光発電や風力発電などの間欠性再生可能エネルギー発電の増加に適応するように着実に増加している。Interact Analysis社が発表したリサーチレポートによれば、2023年末までにアメリカでは、エネルギー貯蔵システムの累積導入量は49.5GWに達し、2023年には10GW以上のシステムが新たに導入されると予測されている。
アメリカ国立再生可能エネルギー研究所(NREL)の研究によれば、これらのエネルギー貯蔵システムの平均稼働時間はおよそ3時間だが、この数字は年々伸びていくことになる。一部のバッテリーストレージシステムは、天然ガスピークプラントと同様の役割を担い、電力需要のピーク時に短時間に稼働する。一方、インフラとしての送電網をサポートするため、8時間以上にエネルギーを提供し続けることができるように設計されているシステムもある。これらのシステムのうち、グリッドエネルギー貯蔵システムが約90%を占めている。
また、同研究の報告書は、現在、アメリカには31.4GWのエネルギー貯蔵プロジェクトが建設中または計画中であることを指摘している。これらのプロジェクトのうち、約24.7GWがリチウムイオン電池技術を採用している。エネルギー貯蔵プロジェクトの導入量に関しては、テキサス州がリードしており、カリフォルニア州とテキサス州はそれぞれ16.3GWと16.4GWのバッテリーストレージシステムを展開している。
注目すべきなのは、ニューヨーク州もエネルギー貯蔵市場において重要な役割を果たし、2030年までに6GWのエネルギー貯蔵システムを展開するという目標を設定した。近年、アリゾナ州のエネルギー貯蔵システムの導入量も急速に増加しており、同州は2025年までに再生可能エネルギー発電の割合を15%に引き上げる計画を立てている。一方、ニューヨーク州においては、計画中、建設中、または運用中のエネルギー貯蔵システムの導入量がすでに5%を占めている。
クリーンエネルギーコンサルティンググループのアナリスト、Tim Montague氏は、「アメリカのエネルギー貯蔵市場は、太陽光発電市場に比べてコスト面では約10年遅れている」と述べている。アメリカ国立ローレンス・バークレー国立研究所の予測によると、2050年までにアメリカは60TWhのエネルギー貯蔵システムを展開する必要があり、これは現在と比較してほぼ100倍増加することになる。急速に成長するエネルギー貯蔵産業は、アメリカのクリーンエネルギーの未来に大きな機会をもたらすだろう。
(文・編集 松木 大燿)



