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金曜日, 4月 17, 2026
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中国製モジュールの廉売、欧州メーカーが懸念

 

 先週、欧州の太陽光モジュールメーカーと新興企業数社が、欧州太陽光発電製造評議会(ESMC)を通じて、中国の太陽光モジュールメーカーによる「持続不可能なほど安価な太陽光モジュール」から欧州の太陽光発電製造業を保護するために、欧州連合(EU)に対策を求める公開書簡を公表した。

 

 書簡の署名者らは、太陽光モジュールの価格がすでに35%以上下落し、ワットあたりの価格は0.15ユーロ(0.16ドル)まで下落したと指摘し、「この状況下では製品を販売する機会は限られてしまっている」と述べている。

 

 欧州の太陽光メーカーは、EUが地元の太陽光発電サプライチェーンを支援する取り組みを歓迎しているが、「中国の太陽光メーカーの価格変動」の脅威にさらされていることには変わりがないとしている。大量の中国製太陽電池モジュールが欧州各地の港に滞留しており、特にオランダのロッテルダムでは、欧州全域の1年分の需要の2倍に相当する数のモジュールがたまっている。

 

 2023年の年初より、中国からの太陽光モジュールの輸入が増加し、その規模は欧州全域の2022年の新規導入容量に相当する40GWdcに達している。それにもかかわらず、現在でも中国からの輸入は依然として増加し続け、2023年には120GWを超える見込みで、同年の予測導入容量の60GW超を遥かに上回ることになる。

 

 公開書簡はさらに、中国の太陽光メーカーがヨーロッパ市場に製品を「ダンピング(不当廉売)」し、ワットあたり0.15ユーロの価格で2年間の契約をヨーロッパの顧客に提案していると述べている。しかし、報告されたデータによると、中国メーカーのワットあたりの生産コストは約0.2ユーロと推定されている。さらに提案した価格で契約したければ、年間少なくとも2MWの注文を必要とし、排他的な条件もつけられるというのだ。

 

 そのため、欧州の太陽電池モジュールの生産量は、2022年の9GWから急激に減少し、2023年には約1GWになった。さらに、欧州の太陽光メーカーは、生産コストが回収できる価格で製品を販売できないため、500MW以上の在庫を抱えている。

 

 この問題に対処するため、欧州の太陽光メーカーらは、EU委員会とEU加盟国に対し、強制労働で製造された太陽光モジュールを即座に欧州市場から排除するなど、行動を起こすよう要請している。また、ヨーロッパの太陽光発電会社に対しては、中国の太陽光メーカーがもたらした価格下落に対処するため、速やかに欧州の太陽光メーカーの在庫製品を購入するよう求めている。

 

 公開書簡によれば、「これらの太陽光モジュールは、一時的な危機および移行枠組み内の入札手順の改善、またはウクライナ支援および再建ファンドの設立を通じて購入する手がある」としている。

 

 最後に、欧州の太陽光発電メーカーは、欧州の太陽光発電設置工事の建設業者とプロジェクト開発者に対し、太陽光発電を導入する際に、バリューチェーン全体にわたり、少なくとも最低限の欧州の現地製品を使用するよう促し、欧州の製造業者が中期的に安定した市場を確保できるようにすることを求めている。

 

 また、欧州の太陽光メーカーは、太陽光発電プロジェクトの入札に環境への配慮や社会的利益など非財務的な基準を組み込むことを提案している。これは中国製モジュールと公正に競争するための鍵となると述べている。

 

 ESMCはさらに、何の措置も講じられない場合、欧州の太陽光メーカーは2つの選択肢に直面することになる。それは、生産を停止して破産するか、アメリカなどの太陽光製造業をサポートする地域に方向転換するかのどちらかであるとしている。

 

(文・編集 松木 大燿)

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