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土曜日, 4月 18, 2026
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EVは「差別」された? 「クルマ捨て」の理由とは?

 EVは 「差別」されている? 何が起きているのだろうか?中国の伝統的な祝日である春節。その連休中、家族団欒で旅行に行くことが新たな選択肢として人気を集めている。 しかし今年、ドライブ旅行で海南島を訪れた観光客たちは、前例のない難題に直面している。中でもEVの所有者は、海南島にその車を残して家に帰ったものもいる。EVを捨てる理由とは何だろうか?そのわけを見てみよう。

 

 人気観光スポットとして、海南島は春節期間中に何百万人の観光客を迎えている。 しかし、島に入ることは容易であるが離れることは困難である。海南島行きへの航空チケットが約2万円だったのに比べ、島を離れるための航空チケットが約40万円に迫る値段で、航空券を購入するのも大変だった。一方、EVで海南島に来た観光客は、島外に戻るカーフェリーチケットを入手できず、「車を残して、自分だけ帰る事」を選択した人もいた。

 

 2月18日から3月3日まで、EVのフェリーチケットは完売してしまったのだ。つまり、EVで海南島を出たい場合、3月3日以降まで待たなければならないのだ。これに対して、ガソリン車のチケットはたくさんあり、簡単にチケットを購入できる。 EVの「離島」難を受けて、2月16日から、海南側はEV専用輸送船を毎日4隻手配するとの対策を立てたが、輸送能力はわずか400台で、需要を満たすにはほど遠い。 そのため、一部のEVの所有者は、車を捨てて行くことを決断した。車は海南に残し、まず家族と家に帰り、仕事や学校に行き、後日時間があったらまた車を取りに来るというのだ。

 

 なぜガソリン車は離島チケットを買うことができるのに、EVはできないのか? その理由のひとつは、「差別的」とされる規則にある。 海南省交通運輸局、海南海事安全局は2023年12月6日、「瓊州(けいしゅう)海峡EV輸送運行ガイド」を発行し、その中で、「船会社は船舶の実情に応じ、1航海あたりのEV輸送の台数は船舶の車両定数の10%以下(小型車換算)、総台数は18台以下とする。」

 

 海南省はEV保有台数が多い省であり、EVは省内の新車の50%以上を占めている。では、なぜ海南省はEVの使用を積極的に推進すると同時に、フェリーでEVに制限をかけているのだろうか? 海南省交通運輸局はこう答えた。EVは主に電気に頼っているため、高温にさらされたり、不適切な充電が行われたりすると、自然発火を起こしやすく、火災につながりやすい。 関連研究によると、このような火災は急速に広がり、大量の有毒ガスを放出し、消火が困難で、いったん制御できなくなると、船舶に深刻な損傷を与え、乗組員の生命を脅かすからだという。

 

 海南省交通運輸局の説明にも一理あるのだ。リチウム電池自動車は輸送過程においての安全上の危険性は無視できない。 中国危機管理部消防救助局が発表した統計データによると、2022年第1四半期、EV火災事故は640件、前年同期比32%増、電動バイク火災3777件、前年同期比35.9%増で、車両火災の平均増加率を上回っている。 リチウム電池自動車が一旦発火すると、火災の進行は激しく、速く、高温で、爆発が起こりやすく、消火が困難であり、フェリーの輸送中の重大な安全上のリスクとなり得る。

 

 海南省がフェリーにEVの乗り入れを認めているのとは対照的に、EVの乗り入れを全面的に禁止する省もある。 中国は長年にわたり新エネルギー車の開発・普及を精力的に進めており、2023年にはEVの累計売販売台数が前年比36.2%増の773.6万台に達した。これは、新エネルギー車を強力に支援するという国策の成果である。そして、国民もこの国策に呼応し、自動車市場におけるEVの割合が急速に増加しているのである。 しかし、海南島の件における政府の態度は、EVの安全係数がガソリン車ほど高くないということを示している。

 

 海南省の今回のアプローチは、実は生命の安全を第一にという原則に基づいており、EVの所有者を含む、国民たちはこれに理解を示している。しかし、EVバッテリーの自然発火のリスクには、そろそろ注意を払うべき時である。 バッテリーの安全性能だけでなく、バッテリーの火災問題を最小限に抑えられるかどうかは、EV企業にとって将来の重要な競争力となるだろう。

 

 今、海南島のEV「離島」難は人々がEVに対する安全信頼値がまだ低いことを示している。自動車業界の未来を支えるEVは、製品の品質とバッテリーの安全の面で国民の信頼を獲得し、実際に自然発火のリスクを徹底的に減らすまでには、まだ長い道のりがあるようだ。

 

 

(文 飛知和弥彦 編集 佐々木

 

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