P&Sコンサルタントによると、仮想発電所の世界市場は2023年までに12億米ドル近くまで拡大すると予測されている。
一方、仮想発電所の世界市場は、2016年以降、年率30%で拡大している。
2022年、トリナ・ソーラーの日本初のバーチャル発電所プロジェクトについて報道した際、我々はすでにバーチャル発電所に触れた。
今日も引き続き仮想発電所の話題を取り上げる。
まず、おさらいだが、そもそも仮想発電所とは何であろうか?
バーチャル・パワー・プラント(VPP)は、高度にインテリジェントなエネルギー管理システムである。IoT(Internet of Things)をベースに、分散型電源、蓄電設備、制御可能な負荷などの資源をグリッド(送電網)に統合し、集中送電を行い、グリッドの配電・運用に関わり、電力市場に柔軟なサービスを提供するものだ。
これは通信ソフトウェアのプラットフォームに相当するもので、分散型発電機と制御可能な電力消費側及び蓄電側を統合的に管理し、一つのバーチャルな組織体とし、これをまるでひとつの現実の発電所と同じ発電能力を持つようにしたものである。
仮想発電所は、発電所と同様の機能を持ちながら、従来の伝統的意味合いでの発電所を持たないため、「仮想発電所」と呼ばれる。
外部からの電力が必要な時にシステムに送電するだけでなく、供給が余ったときにはシステムのために電気を逃がす、つまり送電網への負担を軽減する役割も担っている。
仮想発電所の開発には、3つのリソースが必要である。
・分散型電源
・エネルギー貯蔵(蓄電)機能
・調整可能な負荷、または制御可能な消費側
1つ目については、屋根上の分散型発電所、山上の風力発電所、小型水力発電所、バイオマス発電所など、長年にわたって発展してきた分散型発電は、いずれも電力調整用の仮想発電所の電力供給源となり得るものである。
2つ目は、つまりエネルギー貯蔵(蓄電)である。分散型電源で発電された電気は貯蔵可能でなければならないので、蓄電は必ずレベルアップされることが必要である。 充電パイル、充放電が可能な電気自動車、そして家庭用または商業・産業用の蓄電設備は、仮想発電所が電気を調整するために必須の設備である。
最後は、工場やショッピングモール、各家庭、オフィスビルなど、コントロール可能な電力消費側である。
仮想発電所によって解決される主な問題点は、送電網のピーク時とバレー時の負荷の問題である。
太陽光発電や風力発電の最大の欠点は、不安定であることだ。夜間や風がないときは、電気を全く作り出すことができない。
また、電力消費側の問題としては電力消費のピークとバレーがある。太陽光発電は、日中には大量に発電できるが、一般家庭の電力消費量は低い。夜になると太陽光発電の発電量は低下するが、一般家庭の電力消費量は再びピークを迎える。
グリッド(電力網)の重要な機能として、ピークカットや周波数調整を行うことが挙げられる。
バーチャル・パワー・プラントの採用により、つまり多くの小規模プレイヤーを分散型スマートグリッド技術で統合することで、市場における電力需給の対立を緩和し、電力使用のピーク時とバレー時の調整が可能になる。
つまり、発電側、消費側、蓄電側を統合して組織化したものがバーチャル・パワー・プラントなのだ。
中国国家電網(State Grid Corporation of China)の試算によると、ピークカットを実行し、ピーク負荷の5%を満たすとすれば、それを同様に火力発電所で行う場合、4000億人民元の投資が必要だという。しかし仮想発電所の助けを借り、市場ですぐに使える発電・貯蔵資源をパートタイム的に働かせば、500億〜600億元の追加投資だけで済む。
仮想発電所の産業チェーンは、上流域のベースリソース、中流域の仮想発電所オペレーター、下流域の電力需要サイドで構成される。
上流域ベースリソース:調整可能な負荷、分散型電源及び蓄電装置。
上流側は供給側とも呼ばれ、発電の役割を担う。
制御可能な負荷は、産業用、商業用、公共用、住宅用などに重点が置かれる。応用場面に応じて負荷の調整幅が変わる。商業施設や公共施設における調整可能な負荷は、主に空調、照明、電力などであり、比較的管理しやすいが、一般家庭用の調整可能な負荷分布は分散しており、一つ一つの容量が小さく、統合コントロールが困難である。
分散型電源とは、太陽光発電、風力発電、火力発電、水力発電などの小型分散型電源のことである。エネルギー貯蔵(蓄電)には、機械的蓄電と化学的蓄電がある。
中流域はグリッドサイド(送電網側)とも呼ばれ、送電と配電を担う。
中流域仮想発電事業者:資源アグリゲーターや技術的サービスを含む。
資源アグリゲーターは主にIoTやビッグデータなどの技術に依存し、あらゆるレベルのデータや情報を統合、最適化、割り振り、意思決定し、仮想発電所の中核的機能を現実のものとする。調整及びコントロール機能は仮想発電所産業チェーンの中核的機能である。
技術サービス企業は、仮想発電所ソフトウェアプラットフォームの構築に注力しており、資源アグリゲーターに技術的サービスを提供している。
下流域とは、電気の使用者側であり、電力を使用する役割を担う。
下流域の電力需要(使用)側:公共事業者(送電網の会社)、エネルギー小売事業者(電力販売会社)、及び市場型電力取引に携わるすべての主体。電力取引、ピークカット・周波数調整、ディマンド・リスポンス(DR)に参加、収益を得る。
今回はバーチャル・パワー・プラントの仕組みとその関連性について説明したが、次回は日本のVPPにおける電力取引のいくつかのビジネスモデルについて話したい。



