1.インド財務大臣、外国企業にも参加機会を与える太陽光発電インセンティブ計画を提出
2021年、インドは10GW以上の新しい太陽光発電容量を追加したが、2022年2月1日には、太陽光発電支援計画を策定した。その内容は、
(1)インドがポリシリコンからモジュールまでの産業チェーンをインセンティブするために26.02億ドルの予算を割り当て、新しく設立された企業に初年度15%の優遇税率を与えること。
(2)4月以降、輸入太陽光発電モジュールの関税は40%、電池の関税は25%に引き上げること。
(3)クリーンエネルギーの開発を支援するためにグリーンボンドを推進することである。
この太陽光発電支援計画では、インドに電池モジュール工場を持つ太陽光発電会社に新たなる好機をもたらすだろう。例えば、ロンジは、設備容量に対して高まる需要に、ライセンエネルギー(RisenEnergy)やSungrowなどの下流のインバーターや発電所などの企業の利益成長を促進すべく、既に動き出している。また、トリナソーラーなど、国内シリコン企業にもメリットをもたらすだろう。
2.対インド電池モジュール輸出は一時的に減少するが、依然としてインド太陽光発電市場は中国からの輸入に依存
関税引き上げの影響を受け、一時的に電池モジュール輸出は減少するが、インドの太陽光発電市場は依然として中国からの輸入に依存する状態が続くだろう。中国が最大の対インド太陽電池輸出国であることから、2021年7月末までに、インドは中国セルとモジュールに14.9%のセーフガード税を課したが、8月から2022年4月までは政策調整により、インドで中国の太陽電池とモジュールは8か月の免税期間が与えられている。 この計画では、部品の関税を40%に、電池の関税を25%に引き上げるため、中国の電池と部品のインドへの輸出は一時的に減少するだろう。 更に、現在のインドの太陽光発電市場のモジュールの80%以上は中国からのものであり、中国からの輸入に大きく依存している。インド政府は2022年に太陽光発電の累積設備容量を100GW(実際に2021年に49GWしか達成していない)に目標設定したが、インド国内のセル生産能力はわずか3GW、モジュール生産能力は15GWであり、市場の需要には遥かに及ばない状態である。このようなことから、計画が実施されたとしても、インド太陽光発電市場は中国からの輸入依存状態がしばらくは続くと予測される。
3.将来的には、この政策はインドのグローバルPV企業に利益をもたらす
インセンティブプランは、インドでポリシリコンからモジュールまでの産業チェーンの構築を促進することを目的とするため、その補助金と優遇税率は、早い段階ですでにインドに拠点を置く太陽光発電会社にとって有益なものである。インセンティブパッケージには、インドでのポリシリコンからPVモジュールへの産業チェーンの構築をサポートするための26.02億千万ドルの予算の割り当てと、新しく設立された企業の初年度15%の優遇税率が含まれていることから、早い段階でインドの工場に投資し、また実際に工場を建設した企業が、関税引き上げの恩恵を受けるだけでなく、将来的に工場を建設する企業も政策補助金の恩恵を受けることができるのである。さらに、インドの2030年の累積設備容量目標は280GWであるので、高まる需要によって、下流インバーター、発電所、およびインドに投資した他企業の利益成長が促進されるだろうと予想される。現在、インドでは、シリコンの生産量は中国よりはるかに少なく、関税にはシリコンが含まれていないため、国内のシリコン企業にもメリットがあると期待される。
4.将来的にインドの平均年間設備容量が25GWを超え、巨大な市場の誕生により企業に好機到来
2021年末までのインドの累積太陽光発電容量は49GWであったが、2030年のインド太陽光発電設備容量目標は280GWであるため、インド年間平均設備容量は将来25GWを超える可能性が出てきた。 2021年にインドで新たに設置された10GWの容量を例にとると、将来的に毎年約25GWの容量になり得るだろう。国際再生可能エネルギー機構の予測によると、中国、米国、インドの太陽光発電市場の新たな合計設備容量は、今後5年間で100 GWに達すると予想されているが、中国と米国が現在毎年それぞれ約55GWと24GWとなっている。比較すると、インドで新しく設置された太陽光発電容量の成長率は世界で第1位になる。このようなことから、近い将来、インドに拠点を置くPV企業には新たな好機が訪れるであろう。
(記者 阿部 武彦 編集 高橋 淳 校閲 石井 美香)



