太陽光発電モジュールや風力タービンなど主要な生産材料のコストが上昇しているにもかかわらず、2021年には世界中で過去最高の290GWの再生可能エネルギーの新規設備が導入されると予想される。
2026年までに、世界の再生可能エネルギー設備容量は2020年と比べて60%以上増加し、累積導入量は4,800GW以上になると予想される。この数値は世界の化石燃料と原子力を合わせた設備容量とほぼ同じである。同時に、世界のエネルギー政策において再生可能エネルギーの導入量は全体の95%となり、さらに、太陽光発電だけで再生可能エネルギーの50%を占めることになる。各国政府の政策に基づく強力な支援やCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)気候変動サミットで発表されたクリーンエネルギー目標などにより、2021年から2026年にかけて、再生可能エネルギーの新規導入量は、過去5年間に比べて50%増加すると予測される。
2021年に過去最高となる290GWの再生可能エネルギー設備容量が導入されたことにより、国際エネルギー機関(IEA)は、新しい世界的なエネルギー市場が出現すると見込んでいる。再生可能エネルギー産業は、商品価格やエネルギー価格上昇の影響を受けているが、化石燃料価格の上昇も費用対効果を高めている。特にインドでは再生可能エネルギーの成長が著しい。インド政府は、2030年までに再生可能エネルギーの設備容量を500GWとする目標を発表しており、クリーンエネルギーへの移行を加速させるインドの決意が伺える。一方、中国はクリーンエネルギーの活用を進め、2030年までに炭素排出削減目標を達成することが期待されている。
主な課題だった系統連系の整備などにより、過去5年間に比べ、世界中の国や地域で再生可能エネルギーの導入が明らかに加速している。特に中国、インド、欧州、米国を中心とした主要市場は、設備容量の伸び率で世界の再生可能エネルギー市場の5分の4を占めている。中国は、新規設置容量で引き続き世界トップであり、2026年までに導入される風力と太陽光の合計設置容量は、予定より4年早く2030年の目標である1,200GWに達すると予想されている。成長率ではインドがトップで、再生可能エネルギーの新規導入数は過去5年間に比べ倍増する見通しである。欧米での展開速度もかなり速くなっている。再生可能エネルギーの成長を牽引する太陽光発電は、2021年にも過去最高の160GWの新規容量が追加され、現在の価格高騰に際しても、再生可能エネルギー導入の拡大は止められない状況となっている。しかし、コスト価格が高騰したまま下がらないと、風力発電の投資コストが再び上昇し、3年間続いた太陽光発電のコスト優位性が徐々に失われるだろう。
また、途上国での調達コストの高さも課題となっている。様々な課題を乗り越えさえすれば、今後4年間の再生可能エネルギー設備容量の年平均増加率は、予測を25%上回ることになるだろう。 しかし、今世紀半ばまでにCO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指すという世界の目標を達成するためには、今後4年間で導入される再生可能エネルギーの設備容量を倍増させる必要がある。そのためには、バイオ燃料の需要は平均成長率現在の4倍、再生可能な熱設備の需要は現在の3倍の伸びが必要である。このようなことから、普及が加速されても、カーボンニュートラルの目標達成までには依然として長い道のりがある。
(記者 阿部 武彦 編集 高橋 淳 校閲 石井 美香)



