近頃、欧州太陽光発電製造委員会は、欧州での太陽光発電戦略の導入に対し、太陽光発電市場で長期的な競争力と大規模な太陽光発電製造能力を確立することを保証するものだと評価した。しかし、国際市場における太陽光発電産業チェーンの現在の状況を考慮すると、この戦略は世界の太陽光発電モジュールの容量超過につながる可能性がある。
現在の太陽光発電モジュール市場に関するデータから考えると、中国太陽光発電モジュール需要が2022年に100 GWを超えることを示してはいるものの、世界の太陽光発電生産で深刻な過剰生産能力につながる恐れがある。現在、中国は世界の太陽光発電モジュール製造能力の61%を占めている。インド市場は、太陽光発電モジュールの生産能力に前例のない可能性を示している。インド政府は、太陽光発電製造のための生産連動型優遇策(PLI)を開始し、初期投資額の450億ルピーに加え、2022年の予算で1,950億ルピーを追加で割り当てる。合計で太陽光発電モジュール40GW以上を生産する可能性が高い。 さらに、米国エネルギー省(DOE)の太陽光発電技術局(SETO)の目標は、米国の新しい太陽光発電容量を年間1 GW増やすことを目指し、より多くの太陽光発電システムの設置に取り組んでいる。
現在では、この欧州の戦略は、欧州の太陽光発電を発展させることが主旨となっているが、戦略の内容の詳細からは、太陽光発電市場全体に参入する欧州の野心を窺わせる。戦略によると、EUで生産される太陽光発電システムは、将来、欧州諸国の市場需要の75%以上を満たすことが計画され、欧州の太陽光発電モジュール年間生産能力は、2025年までに35GW以上、2030年までに100GW、つまり世界の太陽光発電容量の15%に達すると予想される。同時に、太陽光発電の革新と大規模な生産を確保するために、20億から50億ユーロの国家信用保証が、開発、実施、拡大のための資金を融通することになると予想される。将来的には、EU加盟国は、太陽光発電モジュールの開発をサポートするために、管理およびライセンス条件を簡素化し、経済自由区域の設立、物品税の免除、優遇措置制度の確立、一連の政策支援など、さまざまな支援が必要となるだろう。
実際に、グローバル産業チェーン全体的の安定した発展のために、欧州や米国のような市場が実際にできることは、太陽光発電パネルの後方統合に焦点を当てることである。太陽光発電モジュールの製造よりもはるかに多くの投資と技術を必要とすることから最も注目に値する分野である。欧州の太陽光発電戦略が実施されると、世界の太陽光発電モジュール市場における競争はさらに激化することになるだろう。
(記者 鈴木 卓哉 編集 尾崎 和明 校閲 石井 美香)



