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金曜日, 4月 17, 2026
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UFLPAに基づく規制強化 米国のモジュール価格とサプライチェーンに悪影響か

 米商務省のアンチダンピング・相殺関税(AD/CVD)をめぐって、業界では論争が巻き起こっている。 バイデン大統領の決定により、一部の国からの太陽光発電関連製品輸入への関税免除措置は2024年7月までに続くことになるが、米国メーカーにとっては関税免除対象となるセルとウエハーの入手が困難になるであろう。

 

 ジンコソーラーやJAソーラーのような、すでに東南アジアで垂直統合したバリューチェーンを構築しているモジュールメーカーは、その製造されたモジュールが関税免除対象となる。しかし、セルやウエハーなどの製品は、バリューチェーンの一部にすぎないため、モジュールとは事情が違ってくる。

 

 2024年7月に関税免除措置が終了すると、米国のメーカーらは、より高い価格で非中国製ウエハーを購入するか、あるいは引き続き東南アジアのサプライヤーからウエハーを購入し、関税を支払うかという2つの選択肢に直面することになる。いずれにしても、米国内のセル生産能力がまだ不足している中、現地のモジュールメーカーらはコスト上昇を強いられることになる。

 

 PV Evolution Labsのデータ・分析レポート担当マネージャー、Max Macpherson氏によると、米国でのセルの生産量は需要に比べて不足しており、割高になる可能性がある。そして、免税期間終了後、輸入セルは関税の対象となる可能性があると予想されている。

 

 しかし、UFLPAが米国モジュール価格に与える影響は、アンチダンピング·相殺関税よりも大きくなっている。PV部門の責任者であるAlex Barrows氏によると、UFLPAは米国のモジュール価格を支配する要因の一つとなっている。

 

 全体的に、米国のモジュール価格は欧州に比べて高く、欧州のモジュール価格が1ワット当たり0.15~0.25ドルであるのに対し、米国は欧州の2倍以上(1ワット当たり0.4~0.5ドル)である。Barrows氏によれば、モジュールの種類によってその価格が変わるが、UFLPAの審査を通過するために高価な非中国製ポリシリコンを使用したため、コストが高くなっている部分もあるという。

 

 UFLPAに基づく規制強化により、米国のモジュール価格とサプライチェーンに課題が生じることが予想されている。Macpherson氏は、「UFLPAの施行開始後、中国以外のモジュールメーカーへの関心が高まり、インド、韓国、トルコといった国々のメーカーが脚光を浴び、PVELの2023年版のPVモジュール信頼性スコアカードに登場するようになった」と述べた。

 

しかし、インドはまだ国内需要を満たす生産能力に達していないため、モジュールやセルへのアクセスという点では課題が残っている。各国が現地生産に移行し、国益を考えるようになってゆけば、米国がインドから関連製品を輸入すること自体が難しくなるであろう。Barrows氏によれば、アンチダンピング・相殺関税は米国の製造業を保護するために実施されたというが、最終的に最も打撃を受けるのは米国企業で、逆に東南アジアの素材メーカーが最大の受益者となる可能性があるという。

 

(文・編集 河井 遥)

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